それはそれは恐ろしい話・・・
ある所に元気で愉快な男の子がいたそうだ。
いつもニコニコ笑っていて、その子がいると周りも明るくなった。
男の子には弟がいた。
けんかもしたが二人で楽しそうに遊ぶ毎日だった。
ところが男の子が6歳をすぎた頃、異変がおこり始めたのである。
それは少しずつ少しずつ、体の中でおきていた。
男の子の体の中には「底なし腹」というそれはそれは恐ろしい
怪物が巣喰っていたのである。
怪物はご飯を食べても食べても、まだ足りない。
牛乳を飲み込み、おにぎりを飲み込み、プリンをミカンを
あらゆるものを飲み込んでそれでもまだ足りないと言う。
「まだなんか食べるもの、ないの?」
男の子の腹のあたりから声がした。
食事のたびに母親はドキドキした。
(まだ・・・食べるの?)
男の子の要求は続く。
「野菜が残っているじゃないの・・・」母親は勇気を出して言ってみた。
「肉、ないの?」
野菜には目もくれず言う。
フライパンを取り出し、冷凍の肉を冷蔵庫から出すと
慌てて解凍して焼く。
肉の焼けるジュウジュウという音と肉汁の香り。
「わあい、ありがと!」
男の子はそれを受け取るとぺろりと平らげ
「もっと!」
どうしよう、どうしよう、「もっと」だって!
「もっと」だって!
母親は食事の準備のせいで手つかずだった自分の皿を差し出した。
こんな毎日が続いたらどうしようかと
母親は不安な日々をすごしていた。
そんなある日、
「ねえ、ママ、もっと」
弟が皿を差し出しこういった。
弟の6歳の誕生日が目前にせまっていた。
いつもニコニコ笑っていて、その子がいると周りも明るくなった。
男の子には弟がいた。
けんかもしたが二人で楽しそうに遊ぶ毎日だった。
ところが男の子が6歳をすぎた頃、異変がおこり始めたのである。
それは少しずつ少しずつ、体の中でおきていた。
男の子の体の中には「底なし腹」というそれはそれは恐ろしい
怪物が巣喰っていたのである。
怪物はご飯を食べても食べても、まだ足りない。
牛乳を飲み込み、おにぎりを飲み込み、プリンをミカンを
あらゆるものを飲み込んでそれでもまだ足りないと言う。
「まだなんか食べるもの、ないの?」
男の子の腹のあたりから声がした。
食事のたびに母親はドキドキした。
(まだ・・・食べるの?)
男の子の要求は続く。
「野菜が残っているじゃないの・・・」母親は勇気を出して言ってみた。
「肉、ないの?」
野菜には目もくれず言う。
フライパンを取り出し、冷凍の肉を冷蔵庫から出すと
慌てて解凍して焼く。
肉の焼けるジュウジュウという音と肉汁の香り。
「わあい、ありがと!」
男の子はそれを受け取るとぺろりと平らげ
「もっと!」
どうしよう、どうしよう、「もっと」だって!
「もっと」だって!
母親は食事の準備のせいで手つかずだった自分の皿を差し出した。
こんな毎日が続いたらどうしようかと
母親は不安な日々をすごしていた。
そんなある日、
「ねえ、ママ、もっと」
弟が皿を差し出しこういった。
弟の6歳の誕生日が目前にせまっていた。
by genkiyohou-shi
| 2010-11-12 06:25